江戸の名君

先にいっておくと、わたしは歴女でもなんでもありません。
ありがちな飽きっぽい性格ですが、たまに興味を持ったテーマにはしばらく手を伸ばすことがあって、江戸時代の時代小説が、5月からのわたしのそれです。

きっかけは、今更ですが、『天地明察』。
映画が話題になっていましたが、私は原作だけ。
ずっとkindleの中で積読電子書籍の場合、この表現は適切なのでしょうか、とにかく)していたものやっと読みまして、もともと数学だとか天文には惹かれてしまう質なので、それはもうわくわくしながら最後まで読みました。
まだ読んでない方にはぜひ読んでほしい!映画もきっと面白いと思います。


そしてこの『天地明察』には、日本史の中で出てきたような著名な人物が何人も出てくるのですが、その中でちょっと気になってしまったのが、保科正之。江戸中期の三名君と呼ばれるうちの一人です。
4代将軍家綱を影で支えながら、自らが起案した政策が自分の手柄になってしまわないように、死ぬときには起案書を全て焼いた。というエピソードに惹かれてしまって、もっと人生を知りたいなと思っていたところで、ちょうど良いタイミングで書籍が出ていました。中村彰彦さんの『名君の碑』。保科正之の魅力が存分に詰まった一冊です。惚れる。
仕事でちまちま悩んでいる自分が情けなくなるような、常に民のことを考えた思想、生き様が本当に魅力的です。前半、生い立ち部分がかなりしっかり書いてあって、それがまた後半の名君っぷりを引き立たせているような。これもとてもおすすめ。

名君の碑―保科正之の生涯 (文春文庫)

名君の碑―保科正之の生涯 (文春文庫)

最後に、これは皆さんよくご存知かつ、上記2冊に共通して出てきたこの人。

光圀伝

光圀伝

天地明察』と同じ冲方丁さんの作品です。
勝手ながらドラマ『水戸黄門』の一部シーンのイメージしかなかった私にとっては、がらっと印象が変わる内容でした。

この3人の人生を描いた作品の中で、それぞれの視点からまた別の人の印象を読むことが出来て、少し当時に入り込んだような、そんな探検ができてちょっと面白い。
もっとこの時代の作品を読みたい…!と思うのですが、なかなかピンポイントで描いているのはないんですね。

歴史小説、時代小説でいうとやっぱり幕末が多いですが、そこにはまるときりが無さそうで踏み出せていない、、。
しばらく江戸の時代背景がわかるような本を読みながら徐々に時代を辿っていきたいと思っています。『東慶寺花だより』とか。

東慶寺花だより

東慶寺花だより

実は今まであまり時代小説とか読んだことなかったのですが、(『竜馬がゆく』は大好き。名作。)同時代ものを連続で読む楽しみ方、またやってみたいです。

竜馬がゆく (新装版) 文庫 全8巻 完結セット (文春文庫)

竜馬がゆく (新装版) 文庫 全8巻 完結セット (文春文庫)